クリーニングに出す前に

利用する上でのマナー

クリーニング店は汚れを落とすプロの店ですが、利用する側にも最低限の知識は必要。
クリーニング店に行くときは、利用者としてのマナーとルールを守り、大切な衣類を気持ちよく仕上げてもらいましょう。

ポケットの中を確認しましょう

背広やジャケット、ズボンやワイシャツなど、ポケットのある洋服は必ず中を確認し、小銭や紙などが入っていないかどうかチェックしてから出しましょう。

シミは種類と場所を伝えましょう

シミのある場所に糸で印を付け、いつ、何が原因でシミになったか、応急処置をしたかどうかを伝えましょう。時間が経ってしまったシミはプロといえども取りにくくなってしまいます。

上下服は一緒に出しましょう

スーツなど上下がそろっている洋服は、色や風合いが変わらないよう一緒に出すのが理想です。ベルトやスカーフなど共布の付属品もそろえて出しましょう。

大切な付属品ははずしましょう

高価なボタンや特殊なボタンははずして出した方が無難です。取れそうなボタンも付け直すかはずして出した方がトラブル防止になります。

ほころびは処理をしてから出しましょう

クリーニングの機械力でほころびが広がることもあります。洗濯物にほころびやほつれがないかチェックし、縫い直すなどの処理をしてから出すよう心掛けましょう。

品質表示ははずさないように

繊維製品には必ず法律で定められた品質表示がついています。取り扱い絵表示や繊維の特徴を表示したタグははずさないようにしましょう。

クリーニング店の上手な選び方

お店選びのポイント

「家の近くだから」「料金が安いから」「仕上がりが上手だから」などクリーニング店を選ぶポイントは人によって違うもの。
大切な衣類を預けるクリーニング店は妥協せず、信頼のおける店を選びたいものです。

POINT❶ 通いやすい店を選ぼう

買い物や通勤の途中など、クリーニング店に立ち寄るタイミングは人によってさまざま。仕上がりに掛かる日数も店舗によって違いますから、クリーニングに出して、受け取るまでを考えて、便利な店を選びましょう。早朝や夜間も受け付けているか、営業時間の確認もお忘れなく。中には宅配サービスを行っている店もあります。

POINT❷ 専門技術の店を選ぼう

ワイシャツやスーツなど一般のクリーニングはもちろん、布団やカーテン、和服など特殊な衣料品にも対応している技術力の高い店を選ぶのもポイント。シミ抜きや汗抜き、防水加工、リフォームなどの特殊技術を持った店を選ぶのも、大切な衣類を長持ちさせる秘訣です。

POINT❸ 接客のいい店を選ぼう

店舗が清潔で、接客の応対のいいクリーニング店は信頼の第一歩。仕上がりの好みを伝えたり、シミ抜きの依頼をするときなど、店員がお客様の情報を正しく工場に伝えるかどうかで仕上がりの満足度は変わってしまうものです。

POINT❹ 信頼できる店と付き合おう

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会に加入しているクリーニング店では「LDマーク」を掲示し、「プロの洗い技術」で「質の高いサービスの提供」に努めています。また、厚生労働大臣が認可した「クリーニング業の標準営業約款」に基づいて営業している店には「Sマーク」が掲示されていますので、クリーニング店選びの参考にしましょう。

クリーニングから持ち帰ったら

正しい保管方法

春には春の、冬には冬の装いを楽しむのは四季のある日本ならでは。
お気に入りの洋服が次のシーズンにも気持ちよく着られるよう、正しい保管方法を覚えておきましょう。

ビニール袋から出す

クリーニング店で包装しているビニール袋は保管用の袋ではありません。自宅に持ち帰ったら、ビニール袋から出し、風通しのいい場所で、30分〜数日、乾燥させるのが理想です。特に、合成皮革や透湿防水加工素材、中綿を使用した衣類や布団などは、そのまま保管するとカビやガス変色などの原因となりますので、注意してください。

汚れ・シミのチェック

クリーニングに出す時に伝えたシミが落ちているかどうか、破損がないかどうかなど、仕上がりのチェックも大切です。日数が経ってから気付いても、対応できない場合があります。自分の衣類は自分でチェックする習慣をつけ、クリーニング店との信頼関係を築くことも大切です。ボタンやベルトなど付属品のチェックも忘れずに。

ホームクリーニングQ&A

漂白剤の上手な選び方は?

市販の漂白剤には酸素の力で色素を破壊する酸化型と、酸素を奪って色素を破壊する還元型に分かれ、酸化型には塩素系と酸素系漂白剤があります。塩素系は白物専用で、ウールやシルク、ナイロン、ポリウレタンには使用できません。酸素系は色柄物にも使用でき、特に液体型がお勧め。還元漂白剤は白物専用で、水洗いできる全ての繊維に使用できます。ただし、塩素系漂白剤と酸性の洗剤は混ぜて使用しないなど、漂白剤の注意書きと衣類の絵表示を確認するなど、取り扱いには十分注意してください。

アイロンがけを上手に仕上げるコツは?

アイロンがけが苦手で、日常的な衣類までクリーニングを利用する人も少なくありません。アイロンがけの上達の秘訣は練習以外にありませんが、いくつかの基本を守り、アイロン上手になりましょう。
(1)アイロンはスチームとドライを使い分ける(2)ワイシャツやブラウス、スカーフなどの薄手のものは半乾きの状態でかける(3)取り扱い絵表示を確認し、テカリが出やすい衣類はあて布をする(4)シャツは衿、袖口、前立てなど細かい部分を先にかける(5)シャツの前立ては縫い目を引っ張りながらアイロンで押さえるようにかける(6)丸みのあるものはバスタオルを丸めて中に入れてかける(7)熱や湿気をしっかり取ってからたたむ。また、汚れたままの衣類にアイロンで熱を加えると、汚れが落ちにくくなりますので、注意してください。

洗濯ネットはどんなときに使うの?

洗濯時のスレや絡まりから衣類を守る洗濯ネット。ボタンやビーズなどの飾りを守る、糸くずやゴミの付着を防ぐ、型崩れ防止など、さまざまな効果があり、形やサイズも用途に合わせて販売されています。ただし、ネットに入れると通常より汚れ落ちは悪くなり、シワが付きやすいなどのデメリットもありますので、ネットに入れる場合は(1)ホックやファスナーを締める(2)プリントや刺繍、飾り付きの衣類は裏返して入れる(3)汚れの部分が外側になるようにたたんで入れる(4)入れ過ぎない、などの注意点を守り、効果的に利用しましょう。

家庭でもドライクリーニングはできるの?

ドライクリーニングは水を使わず有機溶剤で汚れを落とす洗濯方法のこと。ドライコースのある家庭用洗濯機でも実際は水を多量に使うため、本来のドライクリーニングとは異なります。水を含むと縮みやすいウールやレーヨン、シルク、キュプラなどの素材は家庭用洗濯機のドライコースでも型崩れや縮みなどを起こすことがありますので、大切なおしゃれ着はクリーニング店を利用しましょう。

汚れがひどい衣類は長く洗った方がいいの?

汚れがひどい衣類をゴシゴシと強く洗ったり、洗濯時間を長くすると汚れが落ちると思われがちですが、同じ洗濯液で長く洗うと汚れが再付着することもあり、お勧めできません。洗濯時間は10分以内を目安に、汚れがひどいものは部分洗いや付け置き洗いをし、洗う衣類にあった洗濯時間を設定しましょう。

液体洗剤と粉末洗剤はどちらがよく落ちるの?

汚れを落とす力に差はありませんが、粉末洗剤はぬるま湯でよく溶かして使わなければ、石鹸カスが発生しやすく、黄ばみの原因になります。液体か粉末かを選ぶ前に、知っておきたいのは洗剤の種類と特徴。綿や麻、合成繊維には弱アルカリ性、ウールやシルクなどデリケートな衣類には中性を選び、さらに淡い色や生成りの衣類には無蛍光洗剤を選ぶといいでしょう。

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